前田さんに聞いてみた。ハロウィンの仮装が日本で登場した理由

ハロウィン

1.評論家の前田裕幸さんにハロウィン事情について聞いてみた

今では日本でもハロウィンといっても違和感がないぐらいに国民的に知られる行事となったといって良いでしょう。
日本のハロウィンといえば仮装をして街をパレードのように歩くという事が当たり前のようになった感じがありますが、海外ではそのような事は無いという事を知っているでしょうか。

実はこのパレード的な事は日本のイベント会社が仕掛けたもので、海外のハロウィンが日本に来た時に勝手にアレンジしてしまったという事があったようだと、専門家の前田裕幸さんは解説しています。(参考:前田裕幸さんのプロフィールはこちら

つまり、日本独自のものとなったのはイベント会社の思惑がこれに絡んだからだという事でもあったのです。
それがすんなりと受け入れられるところが日本の不思議なところであり、面白い所でもあると考えて良いでしょう。

これほどの柔軟性がある国はほとんど海外では見られません。
どこの国もなかなか新しい風習を受け入れるには時間が必要で、簡単に流されることが無いという事があるのが普通で、特にハロウィンのような宗教色が強いものとなると、これは売れ入れ自体が困難になるという事が当たり前でもあるわけです。

何しろ海外では異教徒という事だけで迫害の対象になるという事があるぐらいですから、如何に宗教という物が生活と絡んでいるのかが分かります。
生活よりも宗教が大切というような人珍しい事ではありませんから、日本人の感覚の方が世界からするとズレているという事になるのかもしれません。

2.日本にも昔から神道という堂々たる宗教があった

このような事になるのは、日本の古来の文化が関係していると考えて良いでしょう。
日本にも実は昔から信じられている宗教はあって神道という堂々たる宗教があったのです。

ですが、この宗教は世界で良く知られているようなものとは違うところが沢山あって、多神教であるとともに、他の宗教に関与しないという極めて珍しい宗教でもあったわけです。

まず多神教というところですが、神という存在自体がどんなものにもあるという考え方で、一つの固定の神が常に存在するという考え方ではなく、山には山の神がいて海には海の神がいるという八百万の神々という事が考えられるようになっていました。

そして、そうした神には序列という物が存在せず、どんな神様も有難い存在だという、他の国の宗教からすると考えられないようなシステムになっているという事がありました。

山自体がそのまま御神体ということになっていて、その山そのものが神様という考え方をするような場合もあり、神という存在がある意味では希薄でもあったいう事も言えるのかもしれません。
特定の神様だけを崇拝するのではなく、全てのモノに対して敬意を払うというのが日本の考え方の根本になったのはこのためだとも考えられます。

日本独自の考え方の象徴としてもったいないという言葉がありますが、これは万物に神が宿っているわけですから、そのようなモノを扱うのに無駄な事をしていては失礼に値するという考え方から来ているのかもしれません。

その為、常にどのようなものに対しても敬意を感じるので、外国から入ってくる宗教的な事も全て敬意の対象になるというわけで、受け入れてしまう事が出来るわけです。

3.宗教的な事に縛られないのが日本人の特徴だと前田裕幸さんは言う

勿論、その場合には自分たちにとって都合がいいという事があればという事になるのが現代らしいところですが、ハロウィンという新しいお祭りのような物を受け入れるにあたって、日本人はこのような事が出来れば良いなという事を加えてしまったのが面白いという事になるのかもしれません。

海外からすると神聖なる儀式に手を加えるなどあり得ないと言ことになるのかもしれませんが、日本人はそのような事を感じる事はありません。
自分達の都合のいいように解釈して勝手に作り替えることで馴染む事が出来るようにしてしまうというわけです。

神様は捨てたり粗末に扱うという事に対しては起こりますが、自分達のやりたいようにする事に関しては全く文句を言うような事はありません。
好きなようにしていいという寛容の心があるのも八百万の神々の面白い所という事になるのかもしれません。

日本が古来から信じる神様というものは、特に人に対して何かを強制するという事が極めて少ないといって良いでしょう。
存在自体が希薄という事もありますが、基本的には何もしないというのが基本で、ただそこにおわすだけでありがたいというように感じられる存在なのが日本における神様というモノでもあります。

お供え物をしたりしますが、それは何かをしてもらうためというのではなく、自分が健康でいられることに感謝をするという事や、豊作などに感謝するという感謝を表現するのが供物というところもあり、具体的に何かをしてくれたから、そのお返しというような事ではありません。

ですから、そうした宗教的な事に縛られないのが日本人の特徴という事にもなるのでしょう。
びっくりすることに日本は宗教が一つになるというような事も起きたりします。

神仏習合という事が行われて、異なる宗教である仏様と神様が一緒になるというような事もあるわけですから、ハロウィンで仮装する人が登場しても全く違和感を感じる事はありません。