ランドセルの歴史について

ランドセルと言えば、オランダから伝わった鞄と言われています。

しかし、その伝わった経緯や普及の模様は、意外に知られていません。

そこで、ここではランドセルがいかにしてオランダから伝わり、現代のように小学生の定番となっていったかを紹介します。

ランドセルが日本に伝わった時期は意外に古く、江戸時代にまで遡ります。

幕末の時代、西洋式の軍隊を作ろうとする過程で、兵士が荷物を背負う為のバッグとして導入されたのが始まりでした。

難しい専門用語で表すと「背嚢」ですが、その意味は簡単。

登山やトレッキング等で使う、リュックサックの事です。

オランダ語では「ランソウ」とも言いますが、これが日本風に発音されていく内に「ランドセル」と呼ばれるようになったとされています。

ここで、「当時の日本の軍隊は、フランスやイギリスの方式を取り入れたはずではないか。何故、オランダなのか?」と疑問に思うかもしれません。

確かに、開国前後の様子を扱った映画やドラマ等でもお馴染みの通り、フランスやイギリスの影響は大きなものでしたが、それは明治維新の後の話です。

徳川幕府が健在であった頃、幕府はオランダから西洋式の軍隊の知識や技術を取り入れていました。

例えば、オランダの歩兵運用方法を翻訳した『歩操新式』の中にはラントセルの単語が登場していますし、当時の様子を取り扱った双六、『調練仕方出世壽語録』では、ランドセルを背負った歩兵の姿を見る事ができます。

いずれも、インターネットで閲覧できる資料です。

こうして日本にもたらされたランドセルの普及には、学習院の存在が深く関わっています。

その当時の理念である平等を実現する為に、馬車や人力車による児童の登校や使用人による荷物の持ち運びを認めず、児童自身が荷物を背負って通学する必要がありました。

そこで、通学鞄として採用されたのがランドセルです。

これに倣って、戦後の高度経済成長期には全国へ一気に普及していきました。

なお、当初のランドセルが現代の形になったのは、大正天皇が学習院に入学した際に伊藤博文が献上したものが元となっています。

これが学習院型と呼ばれ、現代にもその形が受け継がれている基本的な形です。